【シーン別】タイムラプス撮影時の設定について

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未だにカメラの撮影時の設定には難儀します。


オートフォーカスとクリエイティブオートでじゅーぶんキレイな写真が撮れる時代に絞り値だ、シャッター速度だと悩むなんてずいぶん贅沢な趣味を持ってしまったものだと思いますが、設定がバッチリハマったときの快感はやみつきになるものがあります。

 

普通の撮影でさえ頭を抱えてるにもかかわらずタイムラプスに挑戦したのは我ながら無謀だったかとも思いますが、幾度の失敗を経てよーやく自分の中で方法論化がおぼろげながらできてまいりましたので、備忘も兼ねて記してみたいと思います。

タイムラプスの撮り方

はじてにタイムラプスの、ごく基本的な撮り方について。タイムラプスは

  • アングルを決定し三脚にカメラを固定して、
  • カメラの設定をして、
  • タイマーをセットしじっと待つ

という流れで行われます。あくまで一般的な写真撮影の延長線上にあります(三脚とタイマーは馴染みがない人もいるかもですが)。
それぞれ見てみましょう。 

アングルの決定・カメラの固定

まずは撮りたいものを決め、現地に赴きます。流石にタイムラプスでポートレート撮る人はいないと思いますが、まぁ場所と被写体は何でもいいです。自然風景や星空、展望台から見る都心の夜景なんかが定番だと思いますが、おれは夜の街中、人や車の流れを撮るのが好きですね。

さて現地までたどり着いたら三脚をセットし撮影の準備に取り掛かります。最近は結構三脚禁止の場所が多くつらいもんがありますが、人様の迷惑とならぬようひっそりと作業にあたりましょう。おれむかしからそういうのは得意です。

実際にどんな構図が良いのかの検討は今回の本題ではないため次の機会に譲るとして、三脚にカメラを固定する際におれが特に気を付けているのは次の2つ。

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お台場の海岸。背後から聞こえるカップルの笑い声には積極的な沈黙を貫くより他ない。
水平な画角

いきなり当たり前の事で恐縮ですが、気合い入れて撮った写真をいざ現像してみればめっちゃ斜めってる……というのはつらいもながあります。転ばぬ先の杖ってことで忘れずにチェックしましょう。三脚そのものに水平器が備え付けられている場合も多いですが、個人的にホットシューに取り付けるタイプが便利で気に入っています。ストロボとか普段使わないしね。

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ホットシューにつけるタイプの水平器。安物なんで精度はあまあまですけど。

カメラをライブビューにして、グリッドからアタリを付けるのも手です。というかよく水平器を忘れるのでそうして凌いでいる。

カメラストラップの固定

何気にかなり重要かつ忘れがち。タイムラプスは短くて10分、長ければ数時間に渡り同じ画角を保持し続ける必要があります。これがブレるとガッタガタのビデオとなり苦労も水の泡。目も当てられない。微風だし大丈夫やろ、なんて思っても軽いストラップは風に揺られやすく、その振動がカメラに伝わり画角がブレて……ってことにもなりかねません。ほんの数ピクセルの差でも、自分で現像してみるとものすっごい気になるものですよ。
タイムラプス撮影時はストラップを外すか、手間であればテープなどで固定しましょう。
最悪三脚にレバーがついていればそこにぐるぐる巻きにするのも手です。手ですというか物ぐさなおれは毎回こうですけど。それでもやらないよりかは絶対良いかと。

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ちょっとかっこ悪いけど、こうかはばつぐんだ

有線式のレリーズを使っている人はこちらも同様ですね。

カメラの設定〜タイマーの設定

前置きが長くなりましたが、よーやく本題、こちらが本稿のトピックです。

当たり前の話ですがマニュアルで写真を撮ろうとすれば絞りとシャッター速度を決め、ピントを合わせ、ISO感度、ホワイトバランス、あとはえーと露出補正とか考えることはいくらでもあるわけです。ついでにタイムラプスならこれに加えてシャッターの間隔も決めなければなりません。

さらに言えばこれら設定は撮影する場所、時間帯、被写体によって全て変わってきます。途方に暮れそうだ。とは言えある程度は作法というか、「こんな時はこうすれば良い」みたいな指針はあるわけで、今回はそれらを「シーン別」という括りにしていくつかご紹介したいと思います。次章からどーぞ。

 

シーン別の設定

今回は「日中」「夕暮れ」「夜間」という時間帯別の切り口から、被写体に合わせて自分なりのメソッドを整理してみました。

サンプルと一緒に、それぞれの設定を記載しています。元も子もないことを言えばド素人がネット検索と試行錯誤の末に見出したものなので間違っている/非合理的な内容も含まれているかもしれなません。上級者の方が拝見されましたらご指導ご鞭撻のほどをお願いしたく、これから撮影を初めてみたいという方であれば少しでも参考になれば幸甚でございます。

ちなみに以下のタイムラプスを作成するにあたり、以下のサンプルはいずれも撮影枚数は600枚程度撮っています。

日中

全てオート設定で撮影するならともかく、不慣れなせいもあるか意外と日中の設定は難しいなと感じます。ともすれば白飛びの危険性をはらみ、襲い来るゴースト、フレアの群れを潜り抜け、何とか良い写真を撮りましょう。

空や雲の流れを撮りたいとき

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東京タワー。よく撮りに行きますが登ったのは小学校の修学旅行が最後。
  • 撮影モード:マニュアル
  • 絞り:11
  • シャッター速度:1/80
  • ISO感度:100
  • ホワイトバランス:太陽光
  • シャッター間隔:5秒
街中で人の流れを撮りたいとき

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東京駅。丸の内の広場が完成しましたが三脚は禁止なもよう。これはベンチにカメラを直置きして撮影。
  • 撮影モード:マニュアル
  • 絞り:8.0
  • シャッター速度:1/80
  • ISO感度:100
  • ホワイトバランス:太陽光
  • シャッター間隔:1秒

夕暮れ

明るさ絶え間なく変化する夕暮れどきはAv(絞り優先モード)で耐えしのぎましょう。設定した絞りに応じカメラが自動でシャッター速度を調整してくれます。とはいえどうしても現像後の明るさに多少のばらつきが出てしまい、おれ自身まだ試行錯誤の途中段階ですが、日の入りから真っ暗になるまで、それぞれ以下のように整理してみました。

日の入り〜ゴールデンアワーまで

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引き続きお台場の浜辺。雲がなかなかいい感じに動いてくれました。
  • 撮影モード:Av
  • 絞り:9.0
  • シャッター速度:オート
  • ISO感度:100
  • ホワイトバランス:白色蛍光灯
  • シャッター間隔:10秒
ゴールデンアワー以降 

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なんかお台場ばっかや…
  • ・撮影モード:Av
  • 絞り:9.0
  • シャッター速度:オート
  • ISO感度:自動(上限400)
  • ホワイトバランス:白色蛍光灯
  • シャッター間隔:6秒

夜間

タイムラプスに限ってはおれが好きな時間帯です。しかもマニュアル設定で多少いじれるようになればオートとは比べものにならない良い写真が撮れるようになります。星空なんかに興味を持ち出すと難易度はグンと上がりますが、今回は都市部の夜景とちょっと光源が確保しづらいとき、2パターンを説明します。

街中など光源を十分に確保できるとき

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歌舞伎町。とにかく人通りが多く、タイムラプスだと非常に良く映えます。
  • 撮影モード:マニュアル
  • 絞り:9.0
  • シャッター速度:1秒
  • ISO感度:100
  • ホワイトバランス:白色蛍光灯
  • シャッター間隔:2秒
十分な光源を得られないとき

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静岡の薩埵峠。有名なスポットですが夜中は灯りが少ないので道中気をつけましょう。めっちゃ怖かった……。
  • 撮影モード:マニュアル
  • 絞り:7.1
  • シャッター速度:13秒
  • ISO感度:400
  • ホワイトバランス:白色蛍光灯
  • シャッター間隔:15秒

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。正直おれがメインで撮影をしているのは東京の街中ばかりで、自然風景や星空なんかの経験は圧倒的に不足しているので自分が得意な/好きなシーンばかりの紹介となってしまいましたが、少しでも参考になる部分があれば幸いです。

逆にこうして書しまい、この設定ばっかで撮影するというのもおれ自身進歩がないと思うので今後も色々試しつつ遊んでみたいと思います。

今回サンプルに掲載した写真もぼちぼちまとめてYouTubeにアップしたいとも考えているので、そちらの方もどーぞよろしくお願いします。

 

【東京タイムラプス】夜の新宿を撮影

 

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昨年の11月頃から本格的にタイムラプスビデオの撮影を始めまして、よーやく数分の動画にまとめられたところでYouTubeにアップしてみました。

今回は「新宿」「夜景」をテーマに据えています。

慣れないカメラの操作、どんどん厳しくなる冷え込み。そして三脚の側で直立不動というともすれば不審者にも映りかねないおれに投げかけられるのは通行人の好機と訝しみの視線。かくも撮影は艱難辛苦の連続でしたが、やっぱり出来上がったビデオを見ると非常に満足の行く思いがあります。

 

この記事では主な撮影スポットや使用機材について記してみたいと思います。よろしくどーぞ。

 

投稿動画

今回投稿した動画はこちら。

youtu.be

基本的にはRAWで撮影し現像の上ビデオを作成していますが、初期段階の何クリップかはjpg(しかも1980×1280サイズ)で撮ってしまったのでFullHDサイズでの投稿です。

というかおれのマシンスペックでは4K編集はあまりに厳しい。 

 

撮影スポット

今回のビデオではトータル20箇所以上の撮影スポットを巡りました。せいぜい約3分30秒のビデオですがこんなにあちこち回らなければいかんのか! と世の動画クリエイターの方への尊敬の念は強まるばかりです。

しかし普段何気なく歩いているところもカメラで切り取ってみれば想像以上に良い画が撮れたりもして、それなりに楽しめもしました。

今回はその中でも特に気に入ったスポットをいくつかご紹介したいと思います。

青梅街道歩道橋(西新宿)

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(動画0:31〜)

いきなり正式な地名でもなく、抽象的な場所紹介となってしまいごめんなさい。というか正しい地名で言っても誰もピンとこないと思う。

損保ジャパンビルの近くの歩道橋ですね。ラーメン好きには満来や俺の空の近くと言った方が伝わるかもしれない。

靖国通りへと続く新宿大ガード方面への風景はやはり定番のスポットらしく、結構カメラを構えた同好(かは知らないけれど)の士がいたりもします。

ちなみにこの写真は土曜日の午前1:00頃に撮影したものですが、流石にこの時間では交通量も少なく、もしよりダイナミックにヘッドランプの軌跡を捉えたいのであれば、もっと早い時間に撮影した方が良いかもしれません。

ただ早い時間であれば当然それだけ歩道橋の通行量も多いので、人様のご迷惑とはならぬようご配慮を。

西新宿交差点(東京都新宿区西新宿6丁目5−3)

もう手っ取り早く住所のっけます。

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(動画1:02〜)

新宿アイランドタワー近くの交差点ですね。こちらはLoveのオブジェがある側から撮影したものになります。

映画「君の名は」でも同じタイムラプスでここの画が使われていました。一応方角的にも、時期を選べば写真のアングルから映画と同じようにコクーンタワーと損保ジャパンビルの間を縫って登る朝日が撮れるはずです。

東京都庁(西新宿2丁目)

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(動画0:07〜)

ド定番ですね。東京のシンボルの一つですが、実際馴染みがあるかと言われるとおれは免許の更新くらいでしか行ったことがないのも事実。ただそれでもやっぱり滅茶苦茶カッコイイ建築だと見るたびに思います。

非常に大きな建造物なぶんアングルには結構悩まされました。この写真は向かいの京王プラザホテルから少し南に歩いたあたりから撮影しています。夜間は人通りも少なく撮影もしやすいのもオススメです。

タイムラプスを撮るなら雲の流れが早い日を選ぶのがいいかと。

甲州街道

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(動画2:33〜)

西新宿の紹介ばっかりだったので違う場所も。

甲州街道は夜遅くまでとにかく交通量が多く、しかも灯りが多いので映えた写真が撮りやすく非常に気に入っているスポットの一つです。

上記の写真はサザンテラスと小田急ミロードを結ぶ遊歩道から、ガラス越しに東側を見下ろすアングルで撮影しました。

ちなみにサザンテラスは三脚が禁止されているので気をつけましょう(写真は遊歩道の手すりに一眼レフを直置きして撮影。ガラス越しなので映り込みが……)。

靖国通りドンキホーテ前交差点

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(動画0:00〜)

盛り場としての新宿の代名詞ですね。カブキチョー。

交通量も通行人もとにかく多く、タイムラプスの醍醐味とも言えるカットが撮れます。「東京」「タイムラプス」と銘打ったビデオではここか渋谷スクランブル交差点のどっちかが必ず入っている。気がする。

ただし良い画が撮れやすいぶんそれだけ人の目は気になりますが、じっと耐えましょう。都会のタイムラプス撮影は心の修行です。

スポット紹介まとめ

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甲州街道を初台方面へ向かう。ヘッドランプの軌跡が集中線のようで、迫力のある構図が撮れます。

今回は5スポットだけの紹介ですが、当然ながらまだまだイカした夜景は新宿にはいくらでもあります。実際都庁からとかのカットは入れてないですしね。もちろんタイムラプスでなくてもいい写真は撮れる場所ばかりだと思いますので、偶然近くを訪れた際は、少し寄り道でもしてカメラを構えてみてはいかがでしょーか。

 

使用機材

f:id:k-factory-labo:20180109220135j:plain最後に今回のビデオで使用した機材や撮影方法についてもまとめてみたいと思います。ごく基本的な機材がメインですが、タイムラプスを始めるにあたっておれも悩んだ部分でしたので、多少のご参考にでもなればと思います。

カメラ

f:id:k-factory-labo:20180109220200j:plainメインの一眼レフはCanon EOS X7を使用しています。何年か前のエントリーモデルではありますが軽く堅牢で、携行性も高く非常に気に入っています。レンズも付属のEFS 18-55mm F3.5-5.6を使用。特段大きな不満は無いのですが流石にそろそろ広角が欲しい。

あとは1カットだけiPhone7で撮ったクリップを使用しています(詳細は機材の「ジンバル」の項目で解説)。

三脚・レリーズ(リモコンタイマー)

タイムラプス撮影における二種の神器です。語呂が悪い。

三脚はVelbon EX-447 VIDEOを使用しています。軽さ重視で購入したので強風時は正直不安がありますが値段を考えればまぁ相応かと。あとこの三脚は動画用です。パン・チルト用のグリップがあり、普通の写真撮影においては邪魔と言えば邪魔なのですが、動画2:31〜のような面白いカットも撮影できたりします。

レリーズに関しては最近のカメラにはタイムラプス撮影モードがあるようなので、それらを使用されている方は不要ですね。

ジンバル

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その他、DJI OSMO Mobileを使用しています。基本的に最近のスマホには鬼のような手ぶれ補正機能がついているので普通に使うぶんには手持ちでも十分な性能なのですが、流石に歩きながらの撮影は厳しく、ジンバルを購入しました。

今回はハイパーラプスの補助として使用しています(動画2:28〜)。

ただジンバルのような奇妙な物体を持った変態人物が目の前から歩いてくるのには相当驚かれます。好奇の目で見られます。上記のカットを撮るのに歌舞伎町のゴジラロードを何往復かしましたがそれが今回の撮影で一番辛かった瞬間かもしれない。客引きの兄ちゃんも全然声かけてこないもん

 

おわりに

正直おれのカメラスキルは今回のタイムラプスビデオを作るにあたり「初めて一眼レフのクリエイティブオート以外のモードを使った」というレベルで、色々と戸惑うことも多かったのですが無事一本の動画にまとめられたのは幸いでした。

ついでにこの記事が皆様の一助となれば嬉しく思います。

現在進行形で他の街も色々と撮影に出向いていますが、やっぱり「夜の東京の街」というのは魅力的なテーマだなと感じています。

ただいくら撮っても、人の往来で何十分も撮影が終わるのを待つのは、辛いものがあるぜ。